祭囃子と喪黒福造
めふぁにっきです。
にっきだというのに、最近は書き溜めをしております。
だらだら書きたいこと書いてると長くなってしまうので、ストックしておいて編集して小出しにするという方針であります。
相変わらず食べることをやめられません。
ココロのスキマに脂肪が忍び込みます。
帰省のバスの中、隣に綺麗なお姉さんが座ってしまったので、
(これは帰省中の亡者だこれは帰省中の亡者だ…)
と自分に言い聞かせております。
生身の女の人ほど怖いものもありませんからね。
縁日の季節であります。
いわゆる納涼祭というやつ。
祭は大好きなのですが、久しく縁日に行っておりません。幼少期は近所のガキ大将に連れられて悪さをしに縁日に繰り出しておりました。
ガキ大将は型抜きの達人で、あまりにうまいので周辺の出店から出禁になっておりました。
この型抜きというのも500円払って購入して、見事型が抜けると1000円だか払い戻しになるという、町内会の夏祭りにしてはなかなかレートが高いものでした。
私はこの型抜きが壊滅的に下手で、ガキ大将はすげぇなぁと思っていたんですが、このガキ大将はもっとすごいことに、出禁になっても型抜きで稼ぐやり方を見つけます。
彼は型抜きを買った子供を見つけると、200円で型を抜いてやると声をかけます。
成功すれば200円はガキ大将、
依頼した子供は300円の儲けを得ます。
失敗したらガキ大将は200円を依頼者に返します。依頼した側は自分がやっても500円をドブに捨てるのは分かっていますから、ダメでもともと。
500円無駄になっても誰も文句は言いません。
彼は本当にうまいのでほとんど失敗することはなかったんですが、うまくいけば300円儲かる仕組に、型抜き屋の隣に陣取ったガキ大将の周りがちょっとした行列になりました。
子供ながらに私は彼のこの才覚には舌を巻いていました。
この出来事に深く感銘を受け、ビジネスの才能が芽生えた結果、ありがたいことに私は今も立派な勤め人です。
すまじきものは宮仕えなり。
隣のお姉さんがこくりこくりと居眠りをし始めました。亡者も居眠りしたりするんでしょうか…。神秘ですな。なんかいい匂いする…。
縁日ついでにもう一つ。
幼稚園主催の縁日がありまして
園児のために保護者がテキヤの真似事をして楽しませるという趣旨でありました。
そこにめふぁ家の親父殿も駆り出されまして、くじ引きの出店を担当しておりました。
くじを引いて、当たれば賞品がもらえるというやつですね。
夕方ごろ男の子がやってきて店番をしている親父に
「これがほしいんだよねー」
と賞品を指差して宣言しながらくじを引いていきます。
親父も親父で
「ほしいものがあるんだね、とにかく引いてごらんよ」
と幼児に営業をかけてくじをひかせます。
ところがなかなかお目当てのくじは引けずに時間だけ過ぎていきます。
親父は「なかなか出ないねえ、ほしいなら引くしかないねえ」と悪魔の営業を仕掛けます。
男の子はそれにまんまと乗せられ、さらに追加の投資をします。
とうとう縁日の終わりまで男の子は当たりを引くことができず、出店の前で号泣してしまいました。
ここでドラマなら
「小僧、店仕舞いだ。これやるよ。大事にするんだぞ…。」
と優しい出店の主人が出てくるんでしょうが
幼児相手に悪魔の営業をした男はまったく手綱を緩めず、
「しかたないねえ」とスマイルをまったく崩しません。
息子の私としては泣き崩れる男の子の姿と微笑む鬼畜の親父を目の当たりにしてこの世には神も仏もねぇと呆然としていました。
さらに付け加えるとこの縁日を主催してたのはカトリック系の教会でした。
ナザレのイエス先輩なら「てめぇ神殿であくどい商売してんじゃねえ!!」とマジギレしていたこと間違いなしです。
▲マジギレるイエス先輩。
この出来事に感銘を受けた私は、ビジネスの才覚が芽生え、今やソーシャルゲーム会社のオーナーに…
なってません。
ちなみに父親本人にこの縁日の話を覚えているか聞いたら、
「C'est la vie.」
(人生ってそんなもんだ。仕方ねえ。)
との返事がありました。鬼畜おそるべし。
よほどトラウマになったのか、私はその後大人になるまで当たり外れのあるゲームに課金をしたことがありません。
皆々様、ココロのスキマが広がる季節でございます。
くれぐれも重課金にはお気をつけて…。