一億総かまってちゃん時代
めふぁにっきです。
私にはかなり筆まめな大叔母上がおりまして、めふぁ家には四季折々に美味しいクッキーのたくさん入った菓子箱と、崩し字で書いたお手紙が届きます。
そういうものを受け取るたびに、クリスマス、イースター、残暑、秋分の日などなど、季節を改めて思い出すいいきっかけをもらっていました。
私めふぁはまったく筆まめとは正反対の性格で、毎年年賀状の返事をサボっていたら、いつのまにか業者以外から年賀状が届かなくなっていました。
いまだに手紙もメールも苦手な性質です。
19になるまで携帯を持たず、メールは週に一度ほどYahooメールを確認するというスタイルを貫いていた私は、ついに大学に入ってiPhoneを手にします。
そこからは毎日毎日通知の嵐でした。
アプリ、LINE、Facebook、Twitter、Twitter、Twitter…
朝から晩までところかまわず携帯はピロリンピロリン通知を垂れ流します。
さすがにTwitterの通知は切るようになりましたが、
私は今でもLINEの通知が「ピロリン♪」と鳴ると、ほとんど条件反射で
「ハァイッッ!!!!!!!!」
と元気な声でお返事してしまいます。
それくらい当時は携帯の通知とTwitterに毒されていました。
携帯が鳴るたびに身体を起こして腕を伸ばして返信をします。
何人か同時に返信し続けていて、気づいたら肩がガチガチに凝るほどアクロバティックな姿勢を続けていたこともありました。
PCと携帯の画面には常にタイムラインが流れ、朝から晩までリプライをし続けます。
▲神戸かどこかで飲んだよく分からんうまうまアイスコーヒー、新大阪だったかもしれん…
そんなことを繰り返していたら、
ある日従姉妹(ロリ、かわいい)に
「おにいちゃん、そんなことをするためにPC買ったの??」
と唐突に言われました。
本当はこの時点でこのロリ菩薩の言う通り、
通知づけの人生にさよならバイバイすればよかったんですが、
めふぁは身体こそその場にあれど心ここにあらず、
眼の前のロリ菩薩の言うことなど頭に入っておりません。
頭の中は常にその場に居もしない年頃の女の子やメンヘラやホモのことで頭がいっぱいでした。
私はペンを握って紙に書くお手紙が苦手なだけで、筆まめの気質は確実に受け継いでいました。誰かからきた連絡には30秒以内で必ず返していました。
そうじゃないと、きっと自分は相手に嫌われる。
そんな恐怖に取り憑かれて
常に連絡がすばやく返せる便利な人間になることに必死でした。
今ならよくわかるんですが、チャットの応酬で得られる情報量なんて短時間で繰り返せば繰り返すほど薄まっていくものなのです。
特に用事がなければ、チャットなんて送らないに越したことはないのです。
通知に取り憑かれためふぁに追い打ちをかけるように、ある時期からストーカーがつきました。
あらゆるSNSのメッセを経由して、1時間に70くらいのメッセージを飛ばしてくるタイプのストーカーでした。
この時期から、私は使うSNSの数を減らし、Twitterのアカウントも2~3度変えました。
これがかえって徐々に通知地獄から抜け出すきっかけとなりました。
人間の脳の容量は、無限なようでいて無限ではありません。
一日の中で意識をしっかり向けていられる事象は、時間と意志の力の総量に制約されているのです。
本当に自分が注意を向けているべき事象はなんなのか、常に選択しないといけません。
現代のビジネスの根幹は、
「どうやって自分のところのプロダクトに興味を持ってもらえるか」の奪い合いです。
承認欲求の根幹は、
「どうやって誰かに自分自身のイメージを伝えられるか」の奪い合いです。
昔からいかに人の興味を惹くかという試みはありました。
手紙、日々の会話、街角の大道芸人、ファッション、街頭広告、雑誌の広告、ラジオ、TV…
そしてスマートフォンの登場によって、24時間ところかまわずあらゆる企業や人が、あなたの注意を惹こうとします。
私のインストールしているTinderは
「フリックしようよ!!」
「可愛い子との出会いを逃さないで!!」
みたいな通知を飛ばしてきます。
当のカワイイ女の子からは全然「今度会いましょう」みたいな熱いお誘いがきません。
いつきてもいいように目黒の寄生虫博物館でのデートプランを練っているんですが。
かわいいアイコンを設定した女の子のTinderはもっと違う景色なんでしょうね。
常に自分(自分の性)に関心のある男の子たちが、興味を持ってもらおうと奇抜な挨拶文を練っては飛ばしてきます。
マッチングしても
最初の挨拶が「こんにちは!」だとありきたりすぎてダメだ、
それじゃ脈なんかないと聞きました。
どういうんだといいんですかね。
自分に興味を持ってほしいという想いや試みは昔からありました。
万葉集の最初の歌なんかミカドが菜を詰んでいる女の子に名前聞いてますからね。
一部の特権階級だけが和歌を詠み、雁の使い(宮廷で、紙にしたためた和歌を相手へ送るメッセンジャーを担っていたロリショタ)を使って気になる女の子や男の子とやり取りをしていた時代から、今や電子の海や雲を経由して、DMを飛ばしまくる時代がやってきました。
別にそれだけだったら私のような魅力のない男やもめに通知は来ないんですが、
どこかの親切な企業から日々通知が来るようになりました。
「かわいい女の子とヤレるかもしれませんよ」
「出会いほしくないですか?」
これも私が日々エロ漫画ばっかり読んでるから
マーケティングで高度な分析(エロサイトの閲覧履歴抽出)を使って
こいつは男だとバレてるんでしょうね、勘弁してください。
私は絵に描いた女の子に恋をして、夢の中で逢いたいだけのモテない男です。
エロサイトは生理的理由から見てるだけなんです。
頼むから、頼むからそっとしておいてください。
▲今回の写真はこちら。
今に日本のアニメコンテンツは中華に十八番を取られると数年前には聞いてたんですが、ここまで早く来るとは思ってなかったです。
というか中華デザインのアズレンフォント素晴らしいですな。美しいです。
ちなアズレンまだやってないです。