秘宝館デートがしてみたい(東山彰良『女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた。』)
めふぁにっきです。
ふと、この前福岡の書店に立ち寄ったら
やたらめったら長いタイトルの本があったのでついつい買ってしまいました。
http://hon-hikidashi.jp/enjoy/42069/
▲ほんのひきだし 東山彰良さんインタビュー記事
ものすごく生々しく福岡の若者が描かれていて、そうそうこれこれ!!こういう生々しいの読みたかったんだよ!って感じでした。
生々しいといっても、
モテない男の子ならいやというほど知ってる現実をコミカルに描き、
モテねぇのも利用されんのも、どうしようもねぇもんは、どうしようもねぇんだよ!!という潔い諦めというか「現実への敗北宣言」をしている感じ。
重くも鬱でもなく、一汗かいたような心地よい汚さ。
『Angel beats!』を観て予備校に入り、
『四畳半神話大系』を観てとりあえず大学に入ったものの、とにかく大学生というのは快楽に溺れる猿のように滑稽で欲望にまっすぐで汚くて、この物悲しい生き物を描いてる作品はないものかと思っていたらまさにこれでした。
ちょっと作中の若者ブランド品を持ちすぎてて音楽映画に詳しすぎる感じはするけど。
本を閉じた時に
「うっわ…ロクな女が出てこねぇわ…」
という感想が出てきて、
それと同時に
ロクでもないのは女の子の方なのか?
ひょっとしてそのロクでもない生き物をモノにしようと四苦八苦してるオスの方がよほど滑稽なんじゃないのか??
と考えさせられます。
私の大学4年間は
どうして女の子は男の子にそんなひどいことをできるの??
ひどいよ!反省してよ!同じ人間とは思えないよ!
と叫び続け、男の子を誑かす悪い女の子を口汚く罵り、糾弾し、隙あらば制裁しようとすることに費やされてしまいました。
でも今大学生の日常を突き放して見てみると、サカりのついた年頃のオスどもがキャンパスなんてところに押し込められて、暇にまかせて年中女の子のことばっかり考えたり、頼まれもしないのに勘違いして惚れた腫れたしてるの
は実はものすごくコミカルな絵面なんじゃないか?と思ってます。
日本有数の好色文化のど真ん中で(偏見と言われようとも、日本でも稀に見るヤリチン文化だと声を大にして言います。)モテ男の陰で、性の悦びに食いっぱぐれてる若いオスの滑稽さと、そんなオスの思惑に関係なくしたたかに打算的に自由に生きる"女の子"の性と聖がぐちゃぐちゃに混ざり合ったイメージとのコントラストが、現実の辛さと気持ち悪さを通り越して痛快です。
さて、これで福岡舞台の青春系作品は「ドグラ・マグラ」「博多豚骨ラーメンズ」「セカチュー(諸説あり)」「女の子の(略)経っていた。」となったわけですな。
最近のきょうだいの会話
めふぁ「東京の大学生になりたかった」
妹者「なればよくない?」
めふぁ「あのね、お兄ちゃんは東京の大学生になってね、なんかサークルで作った彼女と夏休みに熱海とか箱根とか軽井沢とかそれっぽいところに旅行にいきたい人生だった」
妹者「」
あの、熱海の秘宝館っての行ってみたいんですよ、女の人と。
女の人とってのが大事なんですよ。
一人で行ったらなんか辛そうじゃないですか。一人ディズニーの方がまだいけるわ。