人肌恋しさ溢れる初夏の水辺
めふぁにっきです。
初夏特有の匂いがしてくる季節。
昼と同様に夜も暑くなるので、とにかく寝苦しくっていけない。睡眠の質を上げるためと言い訳をして、少しだけ冷房を入れた。
クーラーから部屋の底でひっくり返っている自分をめがけて冷気がゆっくり降りてくる。
肩で心地よい肌寒さを感じる瞬間、ほんの少しだけ人肌恋しさも感じた。
肌寒いから人肌が恋しくなるというなんの面白みもないトリガーだが、初夏にクーラーの冷気に当たるくらいで再現できるとは思わなかった。
日本語では秋から冬にかけてを「人肌恋しい季節」と表現するが、夏だって「恋の季節」と呼ばれることがある。
どういうことだ。
寒いから暖をとるために恋するんじゃないのか。それとも年中発情期なんだろうか。
クーラーの冷気に当たってみてやっとそのへんの矛盾が解明できた。
連中、クーラーの冷気に当てられて恋心状態に励起させられているだけだったのだ。
そもそも、あの暑苦しい季節に汗をかいた人間の近くにいたいはずがない。
夏場のオタクイベントに行ってみるといい。
人間の背中から発せられる熱。
蒸れた匂い、頭から上がる湯気。
「人間1人いるだけで100Wの電球の熱量に相当する」と言っていた物理の先生が嘘つきじゃないことは体感できる。
じゃあどうして夏は恋の季節なのか。
1つは先に述べたように効き過ぎた現代の冷房だ。大学生が犯すあらゆる男女の間違いが夏場の一人暮らしの部屋で起きるのと深い関係がある。勝手に冷気に当たって人肌恋しくなって盛り上がってしまう。
もう1つは水だ。
古代から、水辺はパリピが発情するためには絶好のシチュエーションだった。
源氏物語にも、自分の嫁に薄い衣着せて氷遊びをさせる変態の話が出てくる。
露出を高くして水浴びをすれば夏場でも人肌恋しくなれる。私はよく海に行ってははしゃいで冷えて腹を壊していた。
さらに極めつけは夜である。
昼間暑いので忘れがちだが、夏だって夜はしっかり冷え込む。身体が冷え込めば必然的に人肌恋しくなる…後の原理は前述の通りだ。
夜はブスの肌も白く、滑らかに見せる。
私は薄着で冷えて腹を壊す。
かくしてパリピの諸君はクソ暑い夏でもせっせと発情するためのシチュエーションやトリガーを設定している。
ハンティングというゲームの本質はプレイヤーの狙撃性能や銃の威力ではない。
絶対に勝てるシチュエーションを作り込み、獲物をそこに追い込む段取り力にこそ狩の本質がある。
どう転んでも発情できるシチュエーションに相手を追い込み、確実に仕留めるのだ。さながら狭い地形にシビレ罠とタル爆弾をセットでしかけるハンターのように。
夜と水と露出、これら全てを満たす演出装置がナイトプールである。異性を狩るために全力を尽くす男女の決戦の場がナイトプールなのである。
ナイトプール 、昨年はいかなかったが、多分今年も行かない。
優秀な狩人は自分に勝てないフィールドは選ばないのだ。私は腹を壊す。ゆえに勝てない。
▲鶏のタタキが旨い初夏の夜