ただ仕えるご主人がほしいだけ
めふぁにっきです。
タイトルは友人の口癖です。
最初は正直「大の男が何言ってんだコイツ」と思ったが、今は完全にその欲求を理解できる。できてしまう。仕えるご主人がほしい。
この場合のご主人っていうのは「婚姻届を出したヘテロのカップルの男」の伝統的な言い方とかじゃないです。
なんというか身も心も預けて安心して仕えることができる概念的な意味での主人。
自分にとって一番権威のない人物は自分自身だと思う。
すごい崇め奉られているどこかの教祖様だって、
自己催眠がとてもうまい人じゃないかぎりは
内心
(なんで信徒たちは俺のこと崇め奉っているんだ…?俺道端でミニスカ見かけたら視線向けちゃうし、夜中にカップ麺とか食べちゃう人間なのに…)
とか思っているかもしれない。
自分のだらしないところ全部知っているのが自分だから、
自分自身が自分にとって一番権威がない。
その点他人を権威として崇めるのはめちゃくちゃ楽。
だって何考えてるかわからないから、信じる側で勝手にイメージづけできる。
「今日も凛々しいお顔!!物思いに耽る姿も素敵!」とか。
本当は(あーパンツが妙な位置に食い込んでウザい…)とか考えてるだけかもしれないけど。人間がテレパシー使えなくて本当によかった。握手会とか怖くていけんわ。
あらゆる信念が片っ端からベールを剥がされ、
次から次へと「あれは迷信でした」「それも昔の人の思い込みでした」ってことにされちゃうのが現代という時代。
テレビの向こう側にしかいなかった芸能人も、スゴイ実業家もみんなSNSとかやってるし、しょっちゅう人間らしい理由で炎上しているし、遠くにいる誰かに幻想を抱いていることも許されない時代。
そういう時代だからこそ、
実はみんなありきたりの事実にはすっかり飽きてしまって
本当は事実なんかよりも心から信じていられる物語を欲しているし、
それと同じくらい心から自分以外の誰かに憧れを抱いたり、権威を感じていたいと思ってる。
昔、10年くらい前、サントリーがスポンサーをやっているラジオで、
「男とデートする時は2回目が狙い時」という話を聴いた。
一度目は互いに相手を見極めるタイミング。
そこでよほど変なことにならず、2回目にデートしようってなったら、
2回目までの間に野郎は妄想で相手を過大評価するから、
女の子にとって自分の株が上がっているのは2回目のデートのとき。
…とかなんとか。
んなわけないだろ。
げ、現代の男女は会う前も会った後も ら、LINEでぴこぴこやり取りするし
なんならそこがホンチャンだぞ。
知らんけど。
1回目のデートでSNSのアカウント把握する。
インスタに上げてる画像の感じで「その子が見せたい自分」を把握する。
フェイスブックで職業、交友関係、素顔(誰かがアップしているタグ付けされた写真は時に盛ってない顔とか撮れる)を把握するでしょ。
ツイッタの裏垢とかフォロー欄お気に入り欄見ればだいたい趣味嗜好思想はわかるでしょ、知らんけど。
ネットの海に個人の情報が散らばってるし、24時間相手に連絡取れるし、
10年以上前と相手に「会わない間」の想いの扱い方って
ガラッと変わってしまったのかもしれない。
相手に会うまで妄想膨らませて、実際に会っている間に会話して自分の妄想と現実の相手をすり合わせるのって昔のコミュニケーション様式なのかもしれない。
「ねぇ 今なにしてるの」ピロン
「既読無視しないで」ピロン
「”画像が送信されてきました”」ピロン
「”スタンプ”」シュポン
逆に考えたらいくらでもメッセージ送れる半日くらいの時間を会わないで妄想膨らませてたって時代の人らすごいな。
平安時代とか会いたくて会えなくてやたら凝った和歌とか作ってたもんな。
あれはあれでSNS中毒なんだろうけど。
完全に仕える主人がほしいって話から脱線してしまった。
誰かに永遠に憧れていたいけど、憧れられる側も楽ではないから、
ワ○ミの社長さんらへんがちょうどいいんだろうな。
「ほーーーらみんなボクのこと遠慮なく崇めていいんだよ!」
って言い切れる人になるのって才能要ると思うし。
でもそっちから我々崇拝者側に媚びてくるとそれはそれで萎えるわ…。
労働万歳。