チキチキ寝不足レース(『スタンフォード式 最高の睡眠』)
めふぁにっきです。
読んだご本から
とにかく御託を並べるコーナーです。
▲前にも紹介した寝不足のオタクがパリピを殺害するゲーム。何のステマでもないです。Apple Storeで600円くらいで買えて無限に遊べて寝不足になれますよ。
スタンフォード式最高の睡眠
特に書評をしたいわけではないので本の内容については細かくは書きません。
「睡眠に関する研究の成果を世の中に還元する」という筆者のポリシーに基づいて、最新の研究結果から分かった睡眠のメカニズムと、そこから得られた「よりよい睡眠」と「よりよい覚醒」に関する本です。
私は生まれついて夜型なのか、子供の頃から夜更かしばかりしていて、人生の半分くらいを寝不足で生きてきたような人間でした。
深夜ラジオの大ファンだったので中学2〜3年生の頃はすっかり昼夜逆転して、昼間の学校は5時間ぶっ通しで寝ていたのでとうとう三者面談になり、「おたくの息子さん学校で寝てますよ」と当時の担任から親にチクられました。
「そうですか、それは本人が眠いんでしょうなあ」と極めてテキトーな回答をした親父の顔は今でも覚えています。
大人の反応としてこの時の親父の対応には今も呆れていいのやら感謝していいのやらさっぱりわかりません。
自分が父親になっても似たような回答をする気がするのでもうどうしようもないと思います。
朝は眠い、昼も眠い、なんだか頭は回らない。でもどういうわけか夜になるとみなぎってきて何をどうやっても寝る気にならない。
ラジオを聞いて、2chを見る、ブログを書く、そうやってめふぁという夜型人間の人生と人格は作られてきました。
そういう生活を続けていますと昼間のパフォーマンスは高くありませんからますます夜型に傾いていきます。
ここ5年くらいでどうやら娑婆の人々は昼間起きて仕事をする方が多数派らしいとようやく気づきました。今更ながら睡眠について調べたり、どうやったらよく眠れるか試行錯誤を繰り返してます。
▲マウント抹茶
この本の話ではないんですが、睡眠の研究は、人間が飛行機で移動するようになって時差ボケという現象が認知されてから進んだのだそうです。
ある時米軍がエジプトに部隊を送ったところ、どうにも自軍のパフォーマンスが悪い。
日本の軍隊だったら
「時差ボケごときなんだッッ精神がタルんどる!」で終わりなんでしょうけど。
天下の米軍様は違います。どうもそこから時差ボケの研究が始まったようです。
日本人の兵隊が死んでも英霊が増えるだけですが、米軍からすれば人員損失が増えるだけですからね。時差ボケごときに兵隊と予算削られてたまるかって話です。
そのへん世界最強クラスの軍隊だけあって人命や睡眠に関しても効率を重視するようです。
研究の結果、人間の生活リズムは
・寝る時間を遅らせるのは1日に4時間まで
・寝る時間を早めるのは1日に1時間まで
というのが分かったそうで
これはつまり、時差ボケは西へ向かう時よりも東へ向かう時の方がツラいということのようです。
ちなみに東に向かう場合、時差ボケの影響は一週間くらい残るらしいですね。
徹夜で麻雀をして、朝日が昇ったら寝る生活をしている大学生が試験3日前になって慌てて0時前に寝る生活をするとだいたいエジプトで苦しんだ米軍と同じ体験ができます。(時差6時間)
是非お試しあれ。
そういうこともあって、米軍はかなり睡眠意識の高い軍隊のようです。
特殊部隊とか、CIAの軍事部隊とかが
「目標を目視した!!
ただ今より落下傘で降下する!!
なお本部隊は時差ボケにより行動不能!!
繰り返す!
時差ボケにより行動不能!!」
とかやってたらシャレにならないし。
海兵隊の漫画『まりんこゆみ』の中でも
連日の日米合同演習で浮き彫りになる
自衛隊と米軍の睡眠と休息への考え方の違いが描かれています。
長期に渡る演習の中で、
自衛隊は睡眠不足で疲労困憊。
一方、しっかり休養を取る米軍はピンピンしているという対照的な構図が描かれています。
日本では古くから夜なべ仕事を美徳と捉えたり
睡眠を削って勉強しなきゃ落ちるぞ〜と脅す
「四当五落」とか、
「寝る間も惜しんで働く」ことを称賛する節がある気がします。
にじゅう♪
よじかん♪
はたらーけますかっ♪
江戸時代後半の日本の人口というのは3000万人前後で頭打ちだったんだそうです。
新田開発もやり尽くして農業生産高の伸びしろもそんなになかったんでしょう。
この状況下では、
農村に人間が余った場合、
1)間引く
2)江戸と大阪に年季奉公に出す
のどちらかしかないわけです。
「やべえw隣の村だと5男以降は間引くらしいwww隣の村に生まれてたら俺死んどったわw」
という恐ろしい事実から「間引き」という重要な課題意識を持ち始めたようです。
さて、この頃の若者が所帯を持つには
①家の家督を継ぐ
②子供のいない家の養子になって家督を継ぐ
③都市に出て稼ぐ
というのが主な活路だったとすれば、
若者は一定の地位を築くために
自分が既存の財産を受け取る資格のある人物だということを所属するコミュニティの中でアピールする必要があったのではないかと考えられます。
そういうアピールが若者の間で生存競争になっていたとすれば、ひょっとすると「寝不足競争」をしていたのかもしれません。
いかに自分が働き者かをアピールする指標として寝不足を使うのです。
今もありますでしょう?
ほら試験前とかに学生がやるアレです。
「っべ〜わ、昨日寝てねーわ、ところで爺ちゃん死んだら田んぼちょうだい」
「1時間も寝ちまったわ!寝すぎじゃん俺…それより寝不足で死ぬ前に嫁貰いたいわぁ」
農村コミュニティの方としても寝不足競争をやってもらった方がいいわけです。
5人若者がいて、田畑を貰えるのは2人だけ。
どれだけ働いたところで狭い農地で生産量の伸びしろはたかが知れているとしたら、5人が寝不足競争をやったって、それで3人くらい倒れたっていいわけです。
足りなきゃ増やして補充すればいいし
黙ってたって勝手に生まれてくる。
なんなら3日くらい寝なくても平気な丈夫な人間をセレクトしてるんだくらいの話ですから。
今はもう頼んだって補助金出したって
子供は生まれてこないご時世になりましたが、
相変わらずいまだに惰性で人は寝不足のままこき使われております。
「自転車を漕いでいたら意識が飛んで、だいぶ遠くから向かってきてたトラックがいつのまにか俺の遥か後方にいた」とか
「次のシフトの時間まで風呂に水張って溺れかけては目を覚ましてた」とか
ブラックバイト関連では人権が行方不明の睡眠不足武勇伝をよく聞きます。
ちなみに私はバイトで夜中2時間おきにワンボックスカーで15分ずつ寝ていたら明け方には低体温症になってました。
しまった俺も寝不足自慢をしてしまった…。
こういうとこに日本のブラック企業のルーツがあるんじゃないかと勝手に思っているんですが、長々と妄想を垂れ流しました。
落ちぶれたとはいえ皆さん先進国の人間なんですから、しっかり寝て、目一杯働いて、世界最高水準の生産性を寝不足の発展途上国に見せつけていきましょうね?
最後にありがたいお言葉を掲載して終わりにしたいと思います。
それでは皆様良い睡眠を。