男やもめスーパー銭湯のすヽめ
めふぁにっきです。
もともと銭湯が趣味なのもあって、休日や金曜日にスーパー銭湯に籠っていることがある。
都市部でも2000円も出せば一日中ゴロゴロできるし、最近はWi-fiを貸し出してることも多いのでネット環境もある。電源だけは置いてなかったり、人口よりコンセントの数が少ないことがあるのでモバイルバッテリーか何かを持っていくと快適だ。
スーパー銭湯とカプセルホテルの中は男しかいない。全員丸腰でなんならみんな間抜けなバスローブとか着させられてる。
権威とか、お高いスーツとか、年齢とか肩書とか、そういうものがまったくここでは意味をなさない。
サウナで何言ったって全員たるんだ身体のバスローブオヤジだから。差別化を図りたかったら背中に絵でも描くしかない。
酔っ払いは時々いるけれど、電車の中で見かけるような威張りくさったのは滅多にいない。
男どもがみんな普段スーツと一緒に肩書とか見栄とか体裁をしっかり着込んでるのがよくわかる。全部脱いでマヌケなバスローブを着てしまえば、あとはトドみたいな丸い生き物がいるだけになる。
トドたちは気ままだ。
あっちでメシを食う。こっちで酒を飲む。
そこらで転がっていびきをかく。
小金を出してマッサージを頼む。
マッサージされてるトドがコロコロ転がされながら「んあ〜効くぅ〜」などと唸る。
だらしがないといえばそうだが、別に誰も咎めはしない。
普段虚勢張ってるおっさんの舞台裏でくつろぎながら、本を読んだり文章を書く時間が好きだ。
一応こんなトドワールドでも虚勢を脱ぎ捨てない男はたまにいる。
マッチョ
ツーブロピアス
刺青お兄さん(背中に絵を描いてる人)
群れてる若い子
要するに服を脱いでバスローブトドと同化しないだけの異質な特徴があるオスは依然として威厳を保ち続けている。
オヤジなんて生き物はスーツと靴と時計とワックスくらいしかトサカ(オスとしての身体的特徴)を備えていないから、脱衣所を抜けるとトドになってしまうのだ。
何より社会的威厳を示したりアピールしたりする対象のメスがいないので、街中だと肩がぶつかったくらいでキレそうなおっさんも割と礼儀正しい。「あ、すんません」とか言っちゃう。
虚勢張るのに疲れたら、週末は銭湯でトドになってみようの話。