サロン化する世界②
めふぁにっきです。
前に書いた『サロン化する世界』
今読み返すともはや何のことかわからん。
多分今から書くことも何のことかわからん。
ネットの世界に初めて「繋がった」時、得体の知れない、大きな期待感があった。日常では垣間見ることのない真実の世界を知ることができるのではないかという期待だ。
本当に初期のネットではそれも間違いではなかったのかもしれない。知識を世界に公開するためのコストはそこそこ高かった。
コストの壁を超える気力のある人間だけが情報を提供している状況で、最低限のリテラシーでゴミが排除でき、リアルでは知り合うことのない同志と繋がることができた。
ネットがインテリのオモチャだった時代にはネットは価値ある人物と情報と繋がれるツールだったのかもしれない。
ネットワークの価値は利用者数の2乗に比例する。
資本の論理はネットワークの価値を高めようと働く。
価値のある情報がネットワークに集積されるように。
より多くの人がネットワークに集まるように。
サイト同士が競い合い、検索エンジン同士がしのぎを削り、SNS同士が激しい競争を繰り広げた。菌類の胞子がひと塊りになって生存競争をするように、情報群もまた自らの生き残りをかけて戦ってきた。
一方で、リアル世界でもネットワークへの送受信の入り口のシェアを物理端末同士が争っていた。より手軽に情報を送受信できるように進化した端末が選ばれていった。
その度にネットワークへ情報を提供するコストは下がっていった。
かくして今では世界中にネットワークへの入り口は開かれている。
地球上のあらゆる場所で、端末のカメラから、画面に映るタッチキーボードから生成された情報がネットワークへ流れ込んでいく。
情報はその集約度によって階層に分けられる。
世界をそのまま写し取っただけでは意味をなさないが、ある種フィルターを通し、捨象することによって意味が生まれ、情報の集約度が高まる。トリミングによって捨てられるものも多いが、その分人間にとっての意味が強まる。
「情報が欲しい」と言う場合の情報は、大抵の場合判断の根拠となりうる集約度の高い「情報」だ。手ブレで何が写っているのかよくわからない画像だって立派に情報だが、これを渡されて喜ぶ人はいない。人が求めているのはいつだってトリミング済の「意味」なのだから。
ネットワークに無数に蓄積されている情報のほとんどは、ノイズといってもいいくらい無加工では「意味」に乏しいものだ。Googleはここからなんとか意味を取り出そうと躍起になっているし、実際低次元の意味を取り出すことに成功している。
より正確には、人を介することなく、ノイズに見える生情報から「意味を抽出する」能力を獲得しようとしている。
文字情報が行き交うTwitterでは「本質情報」という言い回しが生まれている。
あまり好きな言い回しではないが、本質情報と、本質でない情報があるという発想は割と核心をついている。本質情報である。
ネットがインテリのオモチャだった時代は、高度な意味情報を交換すること自体が娯楽になり得た。だからこそかなり有益な情報も無料で転がっていたが、資本の論理が情報ネットワークに介入して久しい。
よほど酔狂な人間でもない限り無料で集約済の、すぐに使える情報は垂れ流さない。
情報には非対称性があるので、重要そうに見える情報にはカバーをかけてnoteを使って有料で売ることができる。業界事情、工作コンテンツ、絶対にヤれるナンパのコツ…などなど。
また、ネットワークにアップロードされる情報は誰かの脳や手を介したものなので、抽象度が高すぎる情報は言語化できず、表現も難しいためネットワーク上に出回らない。
「本質情報」とは、
①本来なら有料のすぐ使える集約度の高い情報
②言語化コストが高すぎてアップロードできていなかった集約度の高い情報
③無修正エロ画像
のいずれかである。
ちなみに③は私が中学生くらいまでは本質情報だった。今は①でも②でもなくなって巷に溢れかえっているのでありがたくもなんともない。
Pornhubのストリップライブでは課金すると本質情報にアクセスできるらしい。
課金する気がないので毎回追い出されてるからまだ見たことがない。誰か本質に触れてきて欲しい。
全然本題の「サロン化する世界」に辿り着かない。
オンラインが当たり前になった現代では、「本質情報」は、実はオフラインにこそある。
録音禁止のトークライブではオンラインで生顔を晒して肉声で赤裸々な「ここだけ」の話をする。
あらゆる価値ある情報はオフラインに秘匿されている。
オンラインは無料で撒き餌をまく場所、オフラインは投資を回収する場所という風に、あらゆるビジネスが形を変えてしまった。
私は書き疲れました。
続きはどこかで飲みながら話しましょう。
(本質情報)